福州市生活情報
麻雀
   福州では、日本や中国各地の役の大きさで点数を取り合う麻雀とまったく違う、ポーカーにも似た独自のルールで、
  家庭、雀荘は当たり前、店先、木陰、レストラン、結婚式場に至るまでいつでもどこでもジャラっと楽しんでいます。
  トランプと人気を2分する、そんな福州人の娯楽『麻雀』とそれにまつわる人間模様をレポートします。
先ずは何と言ってもルールです
 福州の麻雀は、大き目の牌を使うのは当然の事、通常の牌に季節牌を混ぜて行われていましたが、最近では花牌も追加し144枚で行われる
様になったようです。この花牌と字牌が来たら右に出し、枚数分が上がった時の点数となります。しかも振り込みで上がっても全員から点数分の
お金がもらえ、ツモで上がると2倍となります。
■基本的なルール
場と局 親が上がれば連荘するのは日本と同じですが、1局1局が早い為、東・南・西・北の1荘で1ゲーム、約1時間となります。
配牌 サイの出た目で親から4枚ずつを順番に4回、計16枚を配ります。親は最初のツモ分を含めて17枚配られるので多少有利。
手配の中の字牌・花牌・季節牌を右に出し、出した枚数を王牌から補充。これを字牌がなくなるまで繰り替えします。全員が
取り終えたら親が1枚捲ってゲーム開始。これが後々問題のタネとなるオールマイティ牌です。
捨牌 噂通りの乱打で河など有りはしません。ちょっとした動体視力や集中力が無いと何を捨てたか分からなくなってしまいます。
しかし何と、このグチャグチャの捨牌でもフリテンチョンボのルールがあるんです。
流れ 日本の麻雀と同じで1枚ツモって1枚切ます。この時、字牌・花牌を持ってきた時は右に出し、王牌から1枚補充します。
特別なのは最後の一周が来た時で、親がラスト一周を宣言するとポン・チー・カンが出来ず、ツモ牌か捨牌で誰も上がれな
ければ流局となります。
アガリ 字牌・花牌は右に出してしまうので数牌だけの16枚で1雀頭、5面子を作ります。ツモ・ポン・チー・カンを使いとにかく早く
上がった人の勝ちなので簡単に思えますが、1種類だけ厄介なオールマイティ牌が存在します。配牌の時に親がめくった
最初の1枚(現物)がそれで、1枚ならまだしも、2枚も来ると待ちの幅が広がりすぎて頭がパニック、3枚も来ちゃった時は・・・
その時点で上がりなので問題なしです。
役というかあがり方による点数の算出方法というのは4種類あります。
●通常の上がり 字牌・花牌・季節牌が1枚に付き1点。オールマイティ牌が2点。明カン1点。暗カン2点。
 以上の合計が点数となりツモると2倍の点数。
●字牌・花牌・季節牌が1枚も無い時の上がり 最初の取り決めにより50点~100点。
●オールマイティが3枚来た時点での上がり 最初の取り決めにより50点~100点。
●オールマイティを雀頭に使った時の上がり 清雀(チンジャン)と呼び、最初の取り決めにより50点~100点。
●配牌にオールマイティをプラスしての上がり 槍清(チャンチン)と呼び、最初の取り決めにより50点~100点。
イカサマ 河はグチャグチャ、食いが多いのを良い事に、ちょっと慣れればギリや山とのすり替えは簡単に出来そう。
手積みが多いのでエレベータやニギリも有効かな。
その他 配られる牌がデカイし多いので処理牌の判断やオールマイティで待牌の幅が広がるだけでなく、連荘時の点数記憶とそれ
以外にも他家の捨牌やらなんやらで、頭を使わなければならない場面が盛り沢山!その上、誰かが上がれば必ず点数が
取られるので下りる事も出来ないこのルール!始まったら気を休める暇がまったくありません。
また、日本と絶対的に違うのが上がりを宣言するタイミングです。作戦としてアタリを見逃し得点2倍のツモを狙ったりも出来る
のですが、全て頭ハネの為、下家が上がるならやっぱり上がるという様子見行為を防止する為、次番の者がツモってから
上がりを宣言します。そんなアヤフヤなルールや、記憶違いなどから始まる喧嘩が結構多かったりするのも福州麻雀の特徴
とも言えるでしょう。
麻雀に携わる人々
 福州のルールでは、そこそこ打てる腕の人達が集まって行う場合、回数を重ねれば重ねるほどチャラで終わるサイコロの出目に似た感じに
なります。なので、勝ち逃げを許さない意味も含め、最初に3回や4回といった回数を約束してから始める事が多いようです。しかし、中には
コズルイ人達もしばしば。勝ったら突然用事を思い出す奴、負けても勝つまでお金を払わない奴、配牌が悪いといきなり山を崩して無かった
事にしちゃう奴など、まるで小学生並みのわがままがぶつかり合う人々の行動は見ていて飽きません。

 またレートですが、私がお供でよく通っていた雀荘では近所のばーさん連中がやる1点1分から、最高で1点5元まで様々。5元というと
75円/日元なのでそこそこかなぁと思いますが、それがとんでもない!3~4ゲームも行うと5000元負ける時も有るんです。
どうやらレート金額×100~1000倍のお金が動くと思っていた方が良さそう。しかもここでまたまた分からないのが、5元のレートでやっている
顔ぶれ!洋服買いに飛行機乗っちゃうマダム、退職した大学教授、旦那が多額の詐欺で死刑判決を受けた(もちろん裏金で釈放)オバちゃん、
この辺はまあ当たり前。しかし中には、タクシー運転手、公務員等、月給が2000~3000元の人達が多数!「おいおい、負けたら今月どうやって
生活するんだよ。」と心配も他所に、ほとんど毎日顔を出してました。日本で月給以上の金額が動く雀荘に、大勢の人達がほとんど一日中入り
浸る所は無いでしょう。私が知らなかっただけなんでしょうか・・・


■雀荘に集まる人達
フリー フリーといっても日本のような飛び込みは無く、雀荘に集まる常連客が適当に組み合わせを作ってゲームを始めているようです。
ただし、友達、親戚、会社の同僚等、雀荘仲間以外の関係を持つ者同士は同じ卓に着かない様にマスターが配慮します。
こちらのルールで2人に組まれて通しでもされたら、毎局3、4順で上がられてしまいますから。
セット これは単純に4名で雀荘に行き、卓を借りて麻雀をする場合です。ただし、トランプを行う場合でも利用できるようです。

■自宅に集まる人達
家族麻雀 家族と言うより、親族です。盆・暮れ・正月、何かのお祝いの度、レストランでの食事もそこそこにジャラジャラ始まります。
レートは100元が動く程度の安い物にもかかわらず、最後は必ず喧嘩!
「俺はまだ親をやってない!どうして飛ばすんだ!」
「今終わったじゃないの」と他家3名から言われても、
「いや、知らない。こんなんじゃ続けられない!」
とか、
下家「上家のあなたがツモるなら、対面の捨てた3ピンで上がるわ(注:こちらのルール その他を参照)」
上家「ちょっと待て、俺が3ピンで上がるんだ」
他家「あんたツモったじゃない。見逃したんでしょ」
上家「次がなんだったか見ただけだ。とにかく俺の上がりだ点数よこせ、じゃなきゃこのまま止める!」
そして口々に「2度とやらない」と良いながら帰っていくくせに、これが毎回繰り返されます。
みなさん60歳に近し、小額なんだから譲り合いも必要なんでは?
友達麻雀 友達、知り合い、同僚などが集まってほとんど毎日やっている人もいる様です。中には、家を決める時に「いつでも麻雀が出来る」
が条件だったり、メンバーの為にマンションの駐車場を3台分借りていたりとか、まだ改装中の新居では、上の階のおばちゃんが
全自動卓を買って待ち構えているという話も有ります。やっぱり日本のパチンコの様に、好きな人にはたまらなく魅力的なゲーム
なんでしょうか。
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