訪中邦人向けの福建省福州市生活情報ホームレス

ホームレス

　　　都市部と農村部では、労働賃金の格差が30～40倍は有るらしく、一家4人で働いても年収5,000元(75,000円)程
　　という話も聞いた事があります。そんな農村部の人達は、都会？福州へやってきますが、数が多すぎて仕事に就け
　　る人はホンのわずか。職にあぶれり、働けない人達が簡単に日銭を稼ぐ方法として様々な物乞いを始めます。
　　しかし、その驚くべき実態に鋭く突っ込みを入れてみましょう。

様々なパターン

　昭和40年代、上野公園には兵隊の格好をした足のない人、子供を抱いた母親等が通行人にお金を貰って入る所を見た事がありますが、
ここ福州では日常でその状態が起きています。今まで見たパターンを簡単にまとめてみましょう。

道路に幼児を寝かせ、頭を下げ続けている母親
	一番多く見かけるパターンです。子供が起きて遊んでいる場合もありますが、寝ている時にはピクリとも動きません。そして、不思議なのはどうやらオフシーズンがあるらしいのです。大体、3月～5月と10月～12月以外はまったく見かけません。
道路にばーさんを寝かせ、頭を下げ続けているじーさん
	これは親子の夫婦番です。一度しか見た事ありません。
足の不自由なオヤジを台車に寝かせ、小さな息子が引っ張り歩く
	この台車にはカラオケマシンが搭載してあり、大音響で音楽を流しています。そして歩けないオヤジは台車にうつ伏せ、子供が引っ張る紐を握っています。実は同じセットが2組有り、兄・弟のパターンも存在します。その横には母親が赤ん坊を抱いていました。この2組の擦違い様の会話から察するにどうやら家族。そして、どうにも不思議なのが歩けない２人のズボンが異常に長く、まったく足を見えなくしている所です。
スーパーの休憩コーナーに箱を持って寄ってくるじーさん・ばーさん
	スーパーだけではなく、座っている人の所に寄ってきて「金入れろ・金！」と言わんばかりに箱を揺すります。これは物乞いの中でも一番しつこいタイプで、無視をしてても中々離れてくれません。
道路に字を書き、座っている学生
	「家に帰るバス代が5元足りません。助けて」とか「財布を落としました。10元下さい。」等、様々な陳条文を路面に書き座り込んでいる学生がいます。やり方が決まっているのか全て同じ書き方で、スポンサーが現れるまで本を読んでいたり、下を向いていたりと待ち方は自由。しかし、その文字を書いている白いチョーク！金も無いはずなのにみんな何処から持ってくるんだい？
危険な親子連れ
	青信号では子供と一緒に中央分離柵につかまり、赤信号になった時、信号待ちの車の窓を順番に叩いてお金をもらうタイプ。新聞によると結構な頻度で轢かれているらしい。

ふとした疑問

　日本でホームレスと言えば、その字の通り路上で生活をしています。しかし、ここ福州では沢山のホームレスを目撃しているのにも関わらず、
路上・公園・橋の下どこへ行っても住居らしき物を見た事がありません。しかも、近くを通った時の汗や体臭の強烈な臭い！まったくと言って
いいほど感じた事が無いんです。そこで、ちょっと不思議に思い調べてみると・・・
ありました！新聞によると、何と彼らは夜になるとナイトクラブで豪遊し、知人宅やホテルに宿泊。しかも、中にはシャングリラクラスもあるらしく、
余ったお金は田舎へ送金して家まで購入しているそうです。
しかし、全てがそうだとは言えません。本当にやむをえない事情の人もいるでしょう。ですから、誰彼構わずお金を配り「恵んでやった」という
自己満足の為でなく、本当に困っているかどうかを慎重吟味してから善意の為に人助けをしたいものです。
信号待ちに寄って来た赤ん坊を抱いたお母さん！「この子のミルク代をぉ～」と言う前に、「お前の頭！茶髪だぞ！」